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JUBF 安全対策委員講習会 報告書(2018年度)

JUBF 安全対策委員講習会 報告書(2018年度)
学連安全対策委員長
法政大学 3年 長谷川 尚紀

1. 概要

2018年3月4日17時より、ハレルヤコミュニティチャーチ浜名湖チャペル1Fロビーをお借りし、例年通り安全対策講習会を実施した。JWAよりウォーターリスクマネジメント協会理事野口貴史様、御前崎海上保安署より、3名の方をお招きし、加えて学連に加盟する30の大学の中から、19名の安全対策委員が参加した。
はじめに、お越しくださった海上保安庁の方より、海での安全対策について、ウインドサーフィンをする上で、よく起こる事故例また小型船舶の発航検査について、30分程度お話していただいた。また質疑応答では実際に海上保安庁に電話するときはどのような対応を取られるのかについて質問があり、学生と海上保安庁の方とのデモンストレーションを行い、理解を深めた。次に、安全対策委員が実際に体験したことのあるヒヤリハットを全員に共有し、その上で、私たちは安全対策委員として何ができるのか、という問いを5班に分かれて討議・発表した。また、その後、野口様にお借りしたマネキンとAED練習装置を数個使い、BLSアセスメントの練習に加え、実際に心肺蘇生が必要な現場に居合わせた時、いかにして我々が指示者に回るか、という現場的な訓練を行った。
計3時間弱に渡る当講習会は、今後学連内の事故未然防止のために有意義な講習会となった。

2. 詳細

○御前崎海上保安署の方のお話
・ウインドサーフィンの事故発生状況
毎年20件前後、その中では20代から50歳代が多くなっており、月別だと冬に多くなっている。
・事故例について
事故例1)材木座にて漂流者を助けようとした学連に所属する大学生が流され、救助された。
原因)気象の急変により突風が吹き荒れたため。

事故例2)掛川にて、波に乗っていたウインドサーファーが波に飲まれ、海水を誤飲し溺れた
…自己の過失によるもの。熟練者でも自分や環境といった諸々のコンディションを踏まえ、出艇する必要がある。

・小型船舶の発航前検査
…船体に亀裂が入ってないか、エンジンの機関室のチェックを行なっているか、また気象海相の確認が必要である。
自船の安全確保三か条
1、発航前の機関や燃料等の点検
2、航行時、常時見張りの徹底
3、故障に備え、救助支援者の確保

・海上保安庁への緊急ダイアル(#118)のデモンストレーション
実際に聞かれるポイント
…その事故が起きている場所、漂流者の人数、セイルの色やセイルの特徴(例、セイルナンバー等)、流された時の時間、電話をかけた人の名前、そのかけた携帯の電話番号

学生からの意見として、こんなにも長くいろいろなことが聞かれることへの驚きもあった。ただ、実際のやり取りを通す中で、どのような情報を伝えないといけないのか、どこまで詳しく伝えるべきなのかを理解することができた。

○安全対策委員長による活動報告
前年度安全対策委員長の天野から、毎年、新人戦の時期に定期全国安全対策委員合同会議を開催していること、また長く見直しがされていなかった安全対策マニュアルと各艇庫のハザードマップの刷新、さらには離岸流や地震の際にあげられるオレンジフラッグについて説明をいただいた。

・離岸流によって、流され続けて亡くなった方がいる
…横に泳いで離岸流から脱してから浜に帰る。浜に向かって垂直に泳いでいるようだと、なかなか離岸流から抜け出せず、泳いでいる間に力尽きてしまう。抜けるためには浜に対して平行に泳ぎ、離岸流を抜け出す必要がある。

・気づきにくいオレンジフラッグ
…地震発生時にはオレンジの旗があげられる。これは海上にいると地震の発生に気づきにくいためだ。各自が常日頃からどこでオレンジフラッグが掲げられるのかについて理解する必要がある。

○4班に分けた討議
問「事故の未然防止活動において、私たち安全対策委員としてできることは?」

・1班
練習場所:材木座
漁師の網をバリケードにした練習場所の策定。オフショアの海面で風が吹いて来た際に、上回生が下級生の面倒を見続けることが困難。その対策案として、漁師の網を超えないようにマーク打ちを行い練習を行うようにしている。

・2班
練習場所:琵琶湖
風が上がって来たときに、船でレスキューをするのはいいが、その後の船の上で低体温症のような症状が出た。船における防寒対策として、防寒具や毛布、サバイバルシートなどの常備が必要である。

・3班
練習場所:沖縄
ジョイントベースの破損への対応。ジョイント破損時は、ボードとセールが離れるが、自分の元に確保しといてしなければいけないのはボードである。

・4班
練習場所:甲子園浜
レスキュー時の上回生のリグトラへの対策。こう言った最悪の事態へ備えるために、事前にチームで話し合いや安全への考えを深めたり、お世話になっているお店の人と連携し、対案策を考えるべきだ。

○JWA野口様のお話
ジョイントの耐久性についての理解を深めるべきである。学連で使っているジョイントはパンピングなどの行為によってかなりの負荷が掛かっており、一般で使うものよりも耐久性が下がっている。常日頃から整備をし、予備ジョイントを常備すべきだ。

AEDの置き場を確認しておくことは非常に重要である。日頃の練習場所や大会先でも、常にどこにあるのかを認識していること。

普段の練習でも、大会先であっても、近くにいる経験豊富な大人に頼る。いつもお世話になっているショップの人に判断を仰ぎ、学生だけの判断で終わらせない。

委員は有事の際に指示役に回れるように訓練しておく。必ず指示役になるぞという自信を持つ。

3.総括
今年は、関東学連安全対策委員、関西学連安全対策委員がともに事前に安全講習会を消防署で受講していなっかったが、当講習会後に、各消防署で安全講習会を受講し、より一層、水辺の事故防止についての正しい知識をつけていき、他の部員に安全対策に関する知識や技術を共有していきたい。
そして、安全対策委員は、講習会に出るだけにとどまらず、このような場で得た知識をいかにみんなに広めていくか、また実際の現場に遭遇したときにどのような対応を取れるのかが大切になると思う。3時間弱にも及ぶ当講習会は非常に濃いものであったが、その中での安全対策委員の態度は様々で、もう少し安全対策委員としての自覚が必要だと思う部分があった。私自身、学連の安全対策委員を代表するものとして、このような陸での学生の態度にも目を向けていく1年にし、選手みんなが安全でウインドサーフィンをしていく環境を作りたい。



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