初めてのウインドサーフィンの道具選び!

〜気になる費用や運搬・保管などのメンテナンスを徹底解説〜

これから本格的に続けるにあたり、自分の道具の購入を検討している人に向け、ウインドサーフィン用具の種類と選び方のポイント、一式購入するのにかかるおおよその費用、保管やメンテナンスの仕方などを紹介します。ウインドサーフィンの道具は高価で、レベルやスタイルによって道具が異なることもあり、購入には慎重になると思います。失敗したと後悔しないように自分にあった道具を選びましょう。

ー 道具の種類と費用や選び方

まずは基本的な道具の種類をおさえましょう。ウインドサーフィンに使用する道具は、ユニバーサルジョイントによって取り付けられるボードとリグ、そして身に纏うものの3つにわかれます。スクールによっては自分の道具を買う前にレンタルの道具で十分なレッスンをするという方法を取るところ、またはリグのみを先に買って上達してからボードを購入するよう指導するところなど、さまざまです。プロショップに相談の上、購入することが、ベストな道具選びにつながることを先にお伝えしておきます。

1:リグ

セールを含めた風を受ける部分をリグと呼びます。 セールとマスト、ブーム、ジョイントとベース、アップホールライン、ハーネスラインを組み立てた(セッティングした)状態のものをリグと呼びます。 どのパーツも素材や大きさなどにより、価格が異なりますので一概には言えませんが、新品で全て購入すると15万円くらいになります。

セール:風の強さによって使い分けるよう、さまざまなサイズがあります。最初から多くのサイズを揃えることが難しい場合は、練習することが多いゲレンデで一番使うサイズを購入しましょう。またはじめてのセールは取り扱いが簡単なフリーライド用セイルがお勧めです。

マスト:マストとセールは一緒に開発していることが多く、マッチングが大切なので、セールと同じメーカーのものがお勧めです。カーボン含有量が高いものが軽く高価格となります。

ブーム:素材によって金額が異なります。多く使われている素材は、高額で軽量なカーボン、丈夫で低額なアルミなどです。セールサイズによって選ぶブームの長さも異なります。

ハーネスライン:身につけるハーネスとセールをつなぐロープ状のもの。長さを変更できるタイプやブームに取り付ける位置を簡単に変えられるものなどがあります。

アップホールライン:セールアップの時に使います。ビギナーのうちは蛇玉タイプがお勧めです。

ジョイント:マストの下に取り付けセールを組み立てるパイプ部分とユニバーサルジョイントの役割を果たすジョイントベースというラバー部分とで成ります。


2:ボード

はじめてボードの購入を考えている方にお勧めなボードは大きく分けると2タイプあります。ダガーボードがついているロングボードとダガーボードがついていないショートボードです。ダガーボードはボードの横流れを防ぐ機能を持つので、風下に流されることが少なくなります。一方でショートボードは中級レベルに上達してプレーニングする時にも楽しめるボードです。いずれのボードもサイズが大きい(ボリュームがある)ボードがビギナー向けと言えます。

ボード:オールラウンド用のサイズの大きなショートボードかダガー付きのボードを選ぶと良いでしょう。体格やゲレンデによって適したボードが異なりますので、相談して購入することをお勧めします。おおよその金額は15万円からです。

フィン:ボードに合ったフィンがついてくることが多いです。

ダガーボード:ダガーボード付きのボードには必ずついてきます。

フットストラップ:プレーニングする時に足を入れてボードを安定させる役割があります。ショートボードには4本、ロングボードには6本程度つけることが多いです。ビギナーのうちはボードを持ち運ぶ際のハンドルがわりになるのでついていると便利です。


3:コンプリート

ボードとリグがセットになった道具も販売されています。学生連盟が使っているテクノ293やユースオリンピックで使われるテクノプラス、オリンピックで使われるRS:XやiQフォイル、ウインドサーファーなど、ワンデザインとして競技に使われることが多いです。おおよその価格は24万円から。

左:テクノ293、右:ウインドサーファー


4:身に着ける道具

ウエットスーツ

天候や気温によって着分ける様々な形や厚みのウエットスーツがあります。冬には生地厚で水の侵入を抑える長袖長ズボンのフルスーツやセミドライ、春や秋に着る半袖長ズボンのシーガル、半袖半ズボンのスプリングなどです。フルオーダーで身体にぴったり合ったものを作る場合と、店頭に並んだ吊るしと言われる既製品を選んで購入する場合があります。ウインドサーフィンを始める季節にもよりますが、シーガルをまず購入する方が多いです。おおよその金額はシーガルで4万円ほど。

ハーネス

ウインドサーフィンで走れるようになったらすぐに必要になるアイテムです。ハーネスについたフックとセールについたハーネスラインによってセールとライダーが繋がり、腕の力をそれほど使わなくてもセーリングできる便利なアイテムです。練習時間が大幅に増えるので、早めに購入することをお勧めします。最近では着脱が簡単なウエストハーネスを使う方が多いです。おおよその金額は2万円から。


ライフジャケット

ライフジャケットの役割は浮力体であるのと同時に胸部の怪我を防ぐことですが、保温効果も期待できます。スクールで借りる浮力の大きいものの他に、インパクトベストと呼ぶ怪我防止をメインに考えたタイプもあります。価格はおよそ15000円から。

マリンブーツ

足の保護と冬場の防寒のために着用します。冬場の防寒用として人気があるのが足袋タイプの足先が二股になり、ソールが薄いものです。おおよその金額は7000円ほど。


グローブ

ウインドサーフィンではブームを握るため手にマメができます。それを防ぐ薄いグローブと防寒用のグローブ、大きく分けると2タイプあります。おおよその金額は防寒用で7000円くらい

ラッシュガード

日焼けと体温の上昇を防ぐために夏場着用します。長袖、半袖、ノースリーブの他にフード付きなどもありますので、用途に合わせて選ぶと良いでしょう。日焼け防止のためにレギンスを履く方もいます。ラッシュガードのおおよその金額は1000円台から。


5:中古のウインドサーフィンについて

一式購入すると、値段が予算をオーバーしてしまうという場合は、ショップによっては型落ち(旧モデル)で割引している道具を売り出しているところがありますのでそれを探すか、中古を購入するという選択肢があります。

中古の道具を購入する1番のメリットは価格にありますが、痛み具合や前の持ち主の使用頻度などにより、価格が大きく異なり、一概に割引率をここで掲載することはできません。例えば、一度しか使っていないセールは半額にはならない、毎日のように使ったセールは現行モデルであっても生地の痛みがある、などがその理由です。さらに初めて自分の道具を買おうとする方にとって、売り出されている中古の中から自分にあったセール、マスト、ブーム、ボードなど、全てを揃えるために選び出すことは難しいことです。自分のレベルに合わなかったり、買ってすぐに壊れる道具を使っていると、上達が遅くなるばかりかウインドサーフィンが楽しくなくなってしまいます。

では、満足できる中古を手に入れる方法があるのでしょうか? 答えは良心的なショップで購入することです。ショップはそのショップに通うメンバーが新しい道具を買った時に今まで使っていた道具を下取りすることが多く、それをメンテナンスして中古として売り出します。良心的なショップは問い合わせに対して一番適した道具を選んでくれますし、予算の相談にも乗ってくれます。中古の道具は新品に比べると壊れる可能性が高いので、良心的なショップで購入すれば、セッティングのコツも教えてもらえ、購入後もメンテナンスなどについて相談でき、長くその道具を使うことができるのです。

中古の購入を考えるのであればまずは公認スクール等に問い合わせてみることをお勧めします。

6:通販で買う場合の注意点

大手通販サイトやショップの通信販売などでも道具を売っています。ネットショップで買うこと自体は問題ないのですが、セールやボードについては、一度試してから購入することをおすすめします。
ショップや地域でいろいろなブランドの道具を集めた試乗会が年に数回行われています。ブランドやモデルごとに軽さや使い心地、グラフィックが異なり、始めてまもないウインドサーファーでもその違いは実感できます。
ウインドサーフィンの道具は、初心者が楽しく乗るために開発されたものから競技用のものまで、多くの種類があります。免許取立ての方がF1カーで走れないのと同じことがウインドサーフィンでも起こります。試乗会にいけない場合にも、購入前に自分のレベルを説明し、自分のレベルや楽しみ方にマッチした道具であるかどうか確認する必要があります。

また中古の購入で説明したことと同じことになりますが、試乗会にいけない場合は特に信頼できる良心的なショップを探し、相談してから購入することをお勧めします。

ー ウインドサーフィンの道具の管理

気に入って買った道具ですから、長く使いたいことと思います。ここからは保管のポイントや手入れ方法、保管場所、運搬方法などを解説していきます。

1:保管

艇庫をもつショップやスクールがあります。屋内か屋外、または地域によって艇庫料は大きく異なります(年間2万円のところから月額1万円のところまで)。ウインドサーフィンの道具一式とウエットスーツなどがおける上、シャワーやロッカーなどの施設利用料が含まれているところもあり便利です。
ショップやスクールの屋外艇庫を利用する場合は、太陽光線を避けられるようセールとボードは専用ケースに入れましょう。 理想的な保管場所は室内です。高温多湿になる場所での保管は避けましょう。
車の中に道具を置くことは避けましょう。
車の中で保管する場合はボードのドレンコック(ボードの空気抜きのための穴)を緩めるか外しておきましょう。

シーズンオフなど長期保管する場合の注意
通常の保管場所で問題はありませんが、使用前にジョイントのウレタンラバーやシート(セイルのセッティングに使うマリンスポーツ用の紐のこと)のチェックをしてから出艇してください。
ウエットスーツは表にし、ハンガーにかけて保管してください。
ボードのドレンコックは緩めるか外しておきます。

2:メンテナンス

使用後のお手入れ
セール:真水で濯ぎ、砂や汚れを落とし、完全に乾かしてからセイル袋に入れて保管してください。
ブーム:真水で濯ぎ、砂や汚れ、潮を落とします。
ジョイント:真水で濯ぎ、砂や汚れ、潮を落とします。
ボード:真水で濯ぎ、砂や汚れ、潮を落とします。
ウエットスーツ:真水で濯ぎ、砂や汚れ、潮を落とします。お湯で洗うとシーム(縫い目)が剥がれる恐れがありますので、洗う際は真水がお勧めです。

定期的なチェック
シート類は定期的に交換しましょう。ダウンテンションやアウトテンションをかけやすくなります。
ジョイントのウレタンラバーは消耗品です。定期的に交換しましょう。
ウエットスーツ専用のシャンプー等も販売されていますので、定期的に使うとウエットスーツの着心地がよくなり、寿命が伸びます。

3:修理・リペア

セール:モノフィルムが小さく避けた場合などは市販のリペアテープで修理することもできます。縫い目がほつれた、ダクロン部分が破れた等、大きく破損してしまった場合はショップやスクールに相談しましょう。専門業者に修理に出してくれます。

ボード:ボードの表面だけで中まで水が入っていない傷の場合、太陽光線で固まるなどのリペア剤を使って傷の補強をすることができます。中まで水が入ってしまった場合や大きな破損の場合はショップやスクールに相談しましょう。専門業者に修理に出してくれます。

4:車で道具を運ぶときは

ウインドサーファーが集まるビーチ沿いの駐車場にはワンボックスタイプの車が多いことから分かるように、道具の運搬に便利なのはワンボックスカーです。多くのウインドサーファーはワンボックスカーの中にラックを作り、そこにボードやセールを入れています。他にもルーフトップキャリアにボードやセイルを積んで持ち運びする人も多く見かけます。ルーフキャリアは車種により使うパーツが違うこともありますので、注意が必要です。また、車外に道具を搭載する場合、法律で車長の10%までしか前後にはみ出す事ができないと定められていますので、注意しましょう。


自分にあった道具でウインドサーフィンを楽しもう! ー

はじめて道具をそろえる場合、金額的にハードルが高いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、自分の道具を用意したことで「自分にあった道具になってパフォーマンスがあがった」「気に入ったものをそろえることで、気持ちが上がった」という声もあります。ぜひ、自分にぴったりの道具をそろえて、より充実したウインドサーフィンライフを過ごしてください。

まずは相談してみよう!
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初めてウインドサーフィンの道具を購入するならば、道具について知識のあるウインドサーフィンのショップに相談してみましょう。


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