開催期間:第1回2020年1月21日から2020年1月31日
参加選手:須長由季、伊勢田愛、大西富士子
開催期間:第2回2020年2月3日から2020年2月14日
参加選手:小嶺恵美、伊勢田愛、大西富士子
開催地:オーストラリア・ソレント(メルボルンより車で南へ約1時間30分)
海外招聘コーチ:ブルース・ケンドール
(ロサンゼルスオリンピック 銅メダル ソウルオリンピック 金メダル)
国内スタッフ:宮野幹弘
東京オリンピックRS:X女子最終選考大会でもある世界選手権に向けて、2020年1月21日から2月14日までの間2回に分けて、RS:X世界選手権開催地であるオーストラリア・ソレントで、日本ウインドサーフィン協会主催による海外コーチ招聘練習会が行われました。
この海外コーチ招聘事業は2017年より行われ、今回の練習会で最後となります。
ソレントは特殊な地形をしており、シーブリーズが陸風になり、海面はフラットですがシフティ(風向きが変わりやすい)で、とてもトリッキーな所です。また風向と潮の流向が真逆の時は、停泊している船の船尾が風上に、船首が潮に向かうほど潮の流れが強い所です。
第一回練習会では、フランスチーム、スペイン代表選手、イスラエル選手と一緒にレース練習を中心に行いました。平均して12ノットから20ノットと風にも恵まれ、プレーニング練習が中心となりました。
他国の選手とはレース練習開始時間を決め、レース練習前に日本チームだけでセッティングやフォームの確認、艇速練習、タック、ジャイブなどのハンドリング練習等を行いました。艇速練習では、バテンテンション、ダウンテンション、アウトテンションなどを、『スピードが欲しい時』や『(風上に向かう)角度が欲しい時』にどのようにセッティングを調整するのか、セッティングと自分のフィーリングが合うのかを再三にわたり確認をしました。
一方で海外選手とのレース練習では成果が見られました。開始当初は相手が強豪国の選手ということもあり、日本選手は前を走らせてもらうことが難しい状態でしたが、練習を重ねることで、練習会後半には海面の特徴も理解し始め、上位を走ることができるようになってきていました。
第二回練習会は軽風から20ノットオーバーの強風まで、幅広い風域での練習となりました。この期間は世界選手権の運営練習を兼ねたハーバーのスタッフが、本番さながらのレースを行ってくれました。参加選手は20名程、潮が強いことからスタートがとても難しく、スタートを失敗すると上位に入るのは難しい状況でした。日本選手は、軽風では確実に上位を走ることができ、プレーニングコンディションでもシングル後半を走ることができていましたが、やはりスタートを失敗すると上位に入るのは難しい状態でした。
今練習会では、海外コーチのブルースから多くのことを学びました。潮の見方、潮の強い時のスタートのポジションの取り方、プレーニング時のスタートの仕方などを選手とともに再度確認。Googleマップを使い、地形を考慮した風の入り方などを含め、コース取りについての説明もありました。また雲の形によって風の入り方に違いがあること、風向によっても風の入り方が異なることやそれぞれの特性についてもレクチャーしてくれました。加えて、選手たちが大会でより早く走れるよう、海外コーチ自らボードやフィンのメンテナンスも行ってくれました。
軽風、パンピング(セイルを動かし風を起こすテクニック)コンディションでは、RS:X女子選手は世界トップレベルにあると今練習会で確認できました。今まで最大の課題であったプレーニングコンディションでのスピードと(風上に向かう)角度についても、この練習会で他国との差は大部縮まったと思います。あとは選手たちがどのように風を読み、レースを組み立てていくのか。これが一番大事なところになります。『レースでの優先順位の徹底』『風や周りをよく見ての状況判断』『スタート前のルーティーン』など、今まで行ってきた練習の成果を本番のレースではしっかりと発揮できると信じています。
25日から行われる世界選手権では日本人選手皆が上位を走れるよう、頑張ってもらいたいと思います。
皆さんも応援よろしくお願いします。
2020年RS:X世界選手権 大会ホームページ