大会レポート!  ディレクター・松井重樹

2018年3月3日~3月5日の日程で「JWA WAVEツアー第2戦 プロアマトーナメント2018」が静岡県・御前崎市で開催された。今年の年始に行われた「全日本アマチュアWAVE選手権2018」の上位選手を招待する形で行われた今大会は予選ヒートを行い、アマチュアトップ5がプロトーナメントに進出できる形がとられた。今季最終戦という事もあり、トップアマの選手達は勿論の事、この試合で今年度のランキングが決まるプロ選手たちも一層気持ちを引き締めていたに違いない。

大会初日の3月3日(土曜日)、朝からアウトサイドに見えた白波は徐々にインサイドに近づき始め、弱めながらも吹き始めていた。前日の春の嵐の影響で波は胸肩サイズのセットがラインナップして入ってくるために弱い風でも波に乗ればライディングは可能だ。アマチュアヒートからのスタートとなった。ヒート時間は風が弱いためWAVEライディングが2ピックアップ、選手が十分に風上側にポジションできるよう、またセットの波を待ち、選べやすいように15分と長めに設定された。アマチュア選手に出来るだけヒートを楽しんでもらえるよう、今回は敗者復活ヒートも設けられた。

アマチュアヒートが進む中、ジャッジを唸らせたのが今井選手だ。微風でややオン気味に振れる風でも独特の柔らかなライディングでセットの波を取ってはインサイドまでしっかり乗り継ぎ、ここぞというポイントではハードな当て込みを見せる。また全日本アマチュア選手権でのトップ選手たちも健在だ。中でも多賀須選手はアプローチのポジション取りを風上側にとって、余裕をもった貫禄の戦い方を魅せる。若い選手では白方選手の動きが良い。トップターンの切れが良く、シャープでエネルギッシュに波に乗る。結果ベスト4に名を連ねたのは、この3人と終始ジャッジ前の演技と、セットを確実に取って得点を重ねた全日本アマチュア選手権でオープン優勝の水谷選手となる。しかしファイナルになるころには風がさらに弱くなり、ファイナルヒートをスタートするもキャンセルとなり、この日のヒートは終了となった。5位決定戦では生駒勇樹が6名の中から、プロのヒートへの切符を手にした。

大会2日目の3月4日は風が無く、選手のみなさんでビーチクリーンをやった後に救急救命講習が渚の交番スタッフの協力で開催され、多くの選手がこれに参加し、熱心に取り組んでいた。また野口プロからは海上でのトラブル時のためのセルフレスキューについての講習も行われた。予備日である5日について予報的には微妙な所もあったが、選手たちの強い希望も考慮し、運営サイドは予備日の開催を決定した。

3月5日は朝からすぐにでも雨が降り出しそうな曇り空、オフショア、波無しからのスタート。その後、雨が降り出すも風はオンショアに変わり徐々に上がり始め、波もサイズアップし始める。しかし、アウトサイドは吹いているにもかかわらず手前が弱い風の中、若い選手たちがアウトを目指し出艇するも、なかなかアウトに出る事が出来ない。やはり厳しいかと誰もが思い始めた中、板庇選手がその雰囲気を払しょく。アウトに出ると次々にジャンプや360°と高難度の技を決める。アウトまでのトランジションの時間やヒート時間を考慮すると時間的に厳しかったが、オンショアとは言え、波風があるのに何もしないのはプロ選手達には耐えがたいものがあると判断、急遽スーパーセッションが企画された。セイルサイズ5.0㎡前後の風速に波は頭オーバーのコンディション、10分間のトランジションに30分のセッションがスタート。左右数百メートルの海上を、選手のパフォーマンスをひとつも見落とさまいとジャッジも必死で海面に食らいつく。それに応えるように選手もレベルの高いパフォーマンスを繰り出していく。その中でジャッジに猛アピールしたのは杉選手だ。ジャッジ前でバックループやフォワードループを連発する。またオンショアの上手い鎌倉の吉武選手や、スペイン・ポッゾで武者修行に励んでいた石井選手も好調だ。セッション後半、勝者が絞られ始めてきた中、ジャッジ前で空高く舞う赤いセイルがギャラリーの目を釘付けにした。滞空時間、着水、ほぼパーフェクトなバックル―プだった。

板庇雄馬選手がビックパフォーマンスで優勝をもぎ取った。女子はジャッジ正面のインサイドでバックループを放ったMOTOKO選手が優勝となった。

今大会、残念ながら公式戦は行えなかったが、自然を相手にするスポーツ、与えられた目の前のコンディションで最大限のパフォーマンスをし、ギャラリーを魅了し、自らも精一杯楽しむ、そんな姿勢こそがこの競技にとって大切な事なのだと強く思った大会であった。